教育、学び、そして学校 〜 注51

公開: 2024年3月24日

更新: 2024年7月31日

注51. 不登校

不登校とは、一般的には、義務教育の課程にある小中学校の生徒が、学校へ行っていない状態にあることを言います。しかし、実際には、学校に行きたくても行けない生徒もいます。そこで、文部科学省は、そのような家庭の事情で行けない人、自分自身が病気などの理由で行くことができない人を除いて、特に、自分の意志で、学校に行こうとしない状態が、一定期間(30日間)以上続いているとき、「不登校の状態にある」と言うことに決めました。

つまり、生徒の家庭に、貧困の問題などがなく、生徒自身が、重い病気で1か月以上の入院、または寝込んでいる状態でなく、生徒本人が、学校へ通学しようと思えば、問題なく通学できる状況にあるにもかかわらず、本人の意志、または理由が分からない体調の悪化などで、長期に渡り登校をしないことを不登校と呼びます。これには、学校を休んで、友人と遊びに行っている場合も含まれます。しかし、親の方針で、学校に行くことを禁止されている例などは、含まれません。

文部科学省の調査によると、そのような不登校の小中学生の数は、2022年に約29万人に達していました。また、その不登校の理由としては、約50パーセントが生徒の「無気力」が原因でした。また、学習障害やADHDなどの障害が原因で、その生徒が登校した場合に、教室内の他の生徒の学習を妨害する可能性があるため、登校しなかった(または、登校させなかった)とする例もあるそうです。さらに、この不登校児童・生徒の数は、2019年頃から、毎年、増加する傾向が続いています。

この文部科学省の調査では、上に述べた文部科学省が定めた不登校の定義に限定して、調査が実施されたため、学校に登校していても授業を受けていない生徒は、「不登校」から除外されています。つまり、学校へ来ていても、授業に出ずに、仲間と校外に行っている生徒や、校内で「たむろ」している生徒、保健室に行っていて授業に出ていない生徒は、含まれていないのです。

参考になる資料